第3回
なぜ「訪問看護のリハビリ」のあり方を見直しているのか?
前回、「訪問看護のリハビリ」と「訪問リハビリテーション」は、似ているようで制度上は違うサービスだという話を書きました。
では、なぜ最近、訪問看護ステーションからPT・OT・STが訪問する「訪問看護のリハビリ」のあり方が見直されているのでしょうか。
私は、この問題を単純に「訪問看護からのリハビリを減らそうとしている」と捉えるべきではないと思っています。
その背景には、「そもそも訪問看護とは何のためのサービスなのか」という大きな問いがあります。
訪問看護ステーションなのに、リハビリ中心?
訪問看護ステーションには、看護師だけではなく、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士も配置することができます。
そしてPT・OT・STが利用者さんの自宅を訪問し、リハビリを提供することができます。
これは在宅生活を支えるうえで、とても重要な仕組みです。
一方で、事業所によっては、看護師による訪問よりもPT・OT・STによる訪問の方が非常に多いケースもあります。
そうなると、
「これは訪問看護なのか、それとも実質的には訪問リハビリなのか?」
という問題が出てきます。
2024年度の介護報酬改定
この問題に対して、国も制度を見直しています。
2024年度の介護報酬改定では、一定の条件に該当する訪問看護ステーションについて、PT・OT・STによる訪問看護の基本報酬を減算する仕組みが導入されました。
例えば、前年度のPT・OT・STによる訪問回数が、看護職員による訪問回数を上回っている場合などです。
つまり国としても、
「訪問看護ステーションである以上、看護の役割をきちんと果たしてほしい」
という方向性を、より明確にしてきているのだと思います。
では、リハビリ職の訪問を減らせばよいのか?
私はそうではないと思っています。
重要なのは「看護師の訪問回数を増やすこと」そのものではありません。
もっと大切なのは、
看護とリハビリが本当に連携しているか。
ということです。
例えば、理学療法士や作業療法士が訪問した際に、
「最近、歩くスピードが遅くなった」
「以前より息切れが強い」
「足のむくみが増えている」
「食事量が減っている」
「少しぼんやりしている」
こうした変化に気づくことがあります。
これは単なる「リハビリの問題」ではありません。
病状が悪化している可能性もあります。
そんなとき、同じ訪問看護ステーションの看護師とすぐに情報を共有し、必要であれば主治医やケアマネジャーにつなぐ。
ここに、訪問看護ステーションからリハビリ職が訪問する大きな価値があります。
第4回に続く。 吉田