第1回
自宅で受けるリハビリには、大きく分けて「訪問看護ステーションから理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問するもの」と、「訪問リハビリテーション事業所から訪問するもの」があります。
利用者さんからすると、
「どちらも理学療法士が家に来てリハビリをするのだから、同じでは?」
と思われるかもしれません。
実際、現場で行われているリハビリだけを見ると、よく似ています。
しかし、介護保険制度上、この2つはまったく別のサービスです。
「訪問看護Ⅰ5」は、訪問リハビリではない
訪問看護ステーションから理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が訪問する場合、一般的には「訪問看護のリハビリ」「訪看リハ」などと呼ばれています。
介護保険では、いわゆる「訪問看護Ⅰ5」などとして扱われます。
ここで大切なのは、これは制度上の「訪問リハビリテーション」ではないということです。
あくまでも「訪問看護」というサービスの中で、PT・OT・STが訪問している、という位置づけです。
つまり、
訪問看護Ⅰ5 = 訪問看護
であり、
訪問看護Ⅰ5 = 訪問リハビリテーション
ではありません。
名前が似ているため、この違いは利用者さんだけでなく、医療・介護の現場でも分かりにくい部分だと思います。
「訪問リハビリテーション」とは
訪問リハビリテーションは、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院などを基盤として提供される、独立した介護保険サービスです。
こちらもPT・OT・STが利用者さんの自宅を訪問します。
しかし、制度の中心にあるのは「リハビリテーション」です。
医師の指示や医学的管理のもと、訪問リハビリテーション計画を作成し、生活機能の維持・改善を目的としてリハビリを行います。
したがって、訪問看護からのリハビリは「看護」を基盤とした仕組み。
訪問リハビリテーションは「リハビリテーション」を基盤とした仕組み。
ここが一番大きな違いだと思います。
利用者さんから見れば、違いは分かりにくい
ただ、私はこの制度は利用者さんからすると非常に分かりにくいと思っています。
例えば、
同じ理学療法士が、歩行練習をする。
筋力トレーニングをする。
家の中の動作を確認する。
転倒しないように環境を調整する。
家族に介助方法を伝える。
こうしたことを行っていても、その理学療法士が「どこの事業所から来たのか」によって制度上のサービスが変わります。
訪問看護ステーションから来れば「訪問看護」。
訪問リハビリテーション事業所から来れば「訪問リハビリテーション」。
利用者さんにとって重要なのは「自分の生活がどう良くなるのか」であるはずですが、制度上は明確に区別されています。
第2回につづく。 吉田